私が理容の道を志したきっかけは、家族の影響でした。両親、そして祖父母も理美容業に従事しており、その背中を見て育った私は、気がつけば自然と三代目としてこの仕事を選んでいました。
父が若くして独立していたことに刺激を受け、「自分も早く店を持ちたい」との想いから16歳で修業を始め、4年後の20歳で念願の自分の店をオープン。若さゆえの勢いもあり、一通りの仕事はこなせるようになりましたが、「もっと上手くなりたい」という一心で、コンテストにも積極的に挑戦しました。42歳までの約22年間、技術を磨き続ける日々でした。
しかしコンテストを引退する頃、「本当にお客様に喜ばれるお店をつくるには、技術だけでは足りない」と気づき、接客や経営を見直すための学びを始めました。ある勉強会グループに参加させて頂き、スタッフとともに“無形の力”――気遣い、心配り、丁寧な接客の大切さを学ぶことで、「カッコよく、気持ちよく帰っていただく」ことの本当の意味を知りました。
その考えを大切にしつつ、現代のお客様のニーズに合わせたサービスや空間づくりに日々取り組んでいます。理容室も、ただ髪を切る場所から、ライフスタイルを提案できるBarbershopへと進化してきています。おしゃれで居心地のよい空間づくりを目指し、女性スタッフも活躍できるよう、シェービング・エステ・スパなど多彩な技術を取り入れています。
理容師という仕事は、いつかは「店長」や「経営者」といった立場になる可能性が高い職業です。その日を見据えながら、夢を持ち、日々努力を重ね、仲間とともに成長していくことが何より大切だと感じています。
私自身、まだまだ道半ば。これからも、志を共にする仲間たちと一歩ずつ成長し、Kazu-Hairというフィールドを通じて、お客様にとってもスタッフにとっても「来てよかった」と思える場所をつくっていきたいと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
Kazu-Hair 代表 小松 利年